ヘアサイクルって何?


どんな人の髪にも寿命があります。
髪は生えてから1日に0.3~0.5mm伸びると言われていますが、一定の期間が過ぎると成長が止まって抜け落ちます。
その後、抜け落ちた髪の毛穴からまた新たな髪が生えてきますが、この一定の周期で生える・抜けるを繰り返すサイクルを「ヘアサイクル(毛周期)」と言います。

ヘアサイクルとは

 
ヘアサイクルの周期は一般的に男性が2~5年間、女性が4~6年間と言われています。
どのくらいまで髪の毛が伸びるかは、このヘアサイクルの周期によって決まります。

より周期が長めなのは男性よりは女性、老年層よりは若年層と言われますが、性別・年齢以外にも健康状態・体質などによる個人差、季節などの環境などが影響していると言われています。
例えばですが、ギネスブックに登録されるようなびっくりするくらい長い髪の人は、このヘアサイクルの周期が極めて長い人と言えます。

ヘアサイクルには成長期→退行期→休止期の3つの段階があります。
その大体の期間と全体の割合は下記のようになります。

成長期 退行期 休止期
期間  2~6年  2~3週間  3~4ヶ月
全体の割合 80~90% 1% 10~20%

 
休止期を経て髪が抜けた後の毛根の奥では、新しい髪を作る準備に入り、再び成長期が始まります。

【成長期】

髪が発毛してから、長く太く育つ時期を成長期と言います。

髪は頭皮から出た「毛幹」と、頭皮の中の「毛根」に分けられます。
普段、髪として認識されているのは毛幹のほうですが、その毛幹を作り出しているのが毛根のほうです。

毛根の先には毛球と呼ばれる膨らんだ部分があり、その内側のへこんだ部分に「毛乳頭」、その周辺には「毛母細胞」があります。
この毛乳頭は頭皮の毛細血管に直接接していて、そこから栄養や酸素を取込みます。
そして毛母細胞に髪を作る指示を出し、取り込んだ栄養分を与えます。
指示を受けた毛母細胞は分裂を繰り返して細胞を角化し、表皮へと向かって上へ上へと押し上げます。

成長期の初期では毛根の位置が表皮に近い位置にありますが、毛根の活動が活性化していくほどに徐々に深い位置に移っていきます。
そしてある深さに達すると新たに毛母細胞が増殖して髪を作りだします。
そのため生えたばかりの髪は細く柔らかい毛ですが、活動期が長いほど細胞が分裂増殖するのでより長く、太い髪に育っていきます。

【退行期】

毛母細胞の細胞分裂が低調になり、髪が成長しなくなる時期を退行期と言います。

毛乳頭の働きが低下してくると毛母細胞の細胞分裂が減少し、毛乳頭と毛母細胞の位置が離れていきます。
髪を黒くするメラニンを作り出す色素細胞も活動が止まります。
そして細胞の減少にあわせて毛球部分が少しずつ縮小し、表皮に向かって動き出します。
この退行期に入ると細胞の活動は急速に減少し、2~3週間ほどで完全に停止してしまいます。

【休止期】

細胞分裂が完全に止まり、髪が抜け落ちる準備をする時期を休止期と言います。

完全に成長の止まった髪の毛根は毛乳頭とは完全に離れ、表皮に向かって上がっていきます。
力を入れてひっぱっらなくても、痛みもなく簡単に抜けてしまうような髪はこの休止期のものです。
休止期の髪は抜けやすい状態で数ヶ月は頭皮に生えていますが、徐々に上に押し出されて抜け落ちます。

休止期に入ると毛乳頭は活動を休止していますが、その活動が再び始まると髪を作りはじめ、再び成長期に続きます。

ヘアサイクルの乱れ

 
日本人の髪の総量は平均すると10万本くらいと言われています。
髪は1本ごとにヘアサイクルの周期がずれているので、休止期から考えると大体1日50~100本くらい抜けるのが自然な生理現象とされています。
この周期がきちんと守られることで、髪の総量はほぼ一定に保たれていると考えられています。

しかし、このヘアサイクルはさまざまな理由が影響して、その周期が乱れることがあります。
本来2~6年と長いはずの成長期が短くなると髪が十分に育ちませんので、細い、うねる、短いといった状態で成長が止まってしまいがちです。
逆に3~4ヶ月と短いはずの休止期が長くなると、髪は抜けやすく、毛乳頭が活動を休止しているので新しい髪が生えてくるのに時間がかかるようになります。

ヘアサイクルが正常に働かなくなるとこの両方が起こるようになるため、成長期は短期化、休止期は長期化し、髪全体からその割合が増えてきます。
そうなると生えた髪は細く短い状態で成長が止まり、短い抜け毛が増え、 さらに次の発毛まで時間がかかることから、髪の量・ボリュームが減って薄毛の症状が現れるようになります。

一概には言えないのですが、もし髪が1日に100本以上ごそっと抜ける、短く細い抜け毛が増えた。
さらに頭皮にかゆみ・フケがある、べたつく、乾燥するといった症状があるようなら、より注意が必要です。

抜け毛の状態は長さ・太さだけでなく、毛根でもチェックすることできます。
健康な毛根は先がマッチ棒のように膨らみ、髪の毛の倍ほどの大きさの形をして、白っぽいか透明な色をしています。

毛根に膨らみがない、尖ったように先が細くなっている、歪んだ形をしている、黒くっぽい色をしている。
また毛根の周りに皮脂や汚れ・フケなどが付いているものが多いといった場合は、異常脱毛の可能性があります。


髪には寿命があり、その成長はヘアサイクルに従っています。
そのため髪の健康やボリュームを保つには成長期をより長く、休止期をより短く、ヘアサイクルを正常化することが基本になります。
シャンプーやブラッシングの際は、抜けた髪の状態をチェックしてみてください。
日頃からまめにチェックすることが、自分の状態を知ることになり、早めのケアにつながります。