紫外線による髪と頭皮のダメージ

頭は身体の中で一番高く太陽に近い位置にあって、常に外部に直接さらされている場所です。
そのため、全方向から紫外線の影響を受けやすく、顔に比べても3倍以上浴びていると言われています。

紫外線は髪や頭皮にも大きなダメージを与えます。
顔は日焼け止めを塗らないで紫外線を浴びると、炎症・シミ・シワなど、さまざまな肌トラブルを起こしますよね。
それと同じように髪や頭皮にも多くのトラブルを起こす原因になり、ダメージヘアになるだけでなく、薄毛や抜け毛を引き起こす一因にもなります。

紫外線による髪ダメージ

 

髪は皮膚と違って、紫外線のダメージの影響はすぐ目に見えてわかるものではありません。
でも、じわじわと変質していくのです。
髪が乾燥してパサパサ。手触りがザラサラ。ツヤやハリがなくなる。枝毛・切れ毛。
ダメージが進行すると抜け毛・薄毛・白髪などにも繋がってしまうのです。

【内部のダメージ】

髪の8割は18種類のアミノ酸がいろいろな形で結合したタンパク質でできています。
この結合の形には水素結合・イオン結合・シスチン結合・ペプチド結合の4種類があり、シスチン結合はその結び付く力が一番強力です。
その強力なシスチン結合はタンパク質の中で最も多く存在することで、髪の強さやしなやかさを保っています。

しかし紫外線は髪の強さの元のシスチン結合を切断して、再生できない状態にしてしまいます。
さらに紫外線の酸化反応によってシステイン酸が多く生成されていき、タンパク質内のシスチン結合が減っていきます。
そのため髪そのものの構造が弱くなり、髪の強度や弾力が低下します。

【外部のダメージ】

髪は外側から順にキューティクル、コルテックス、メデュラという3層に分かれています。
一番外側にあるキューティクルはかたいタンパク質が主成分で、透明な魚のうろこ状のものが平坦に何枚も重なり、バリアのように髪を守っています。

キューティクルは脂質成分で表面を覆われており、そのうるおいを保ち、摩擦や損傷から守られていますが、紫外線によって、この脂質成分が失われていきます。
脂質成分が失われるとキューティクルの層同士がその結びつきが弱まるので、めくれあがったり、ちょっとの刺激で剥がれて髪表面から平坦な滑らかさが失われるので、ツヤが低下し、手触りがザラザラと悪くなります。
さらにキューティクルにできた隙間から髪内部の水分やタンパク質などが流れ出て、髪の内部にもダメージが進行していきます。

【髪の変色】

髪の3層のうち、真ん中のコルテックスには髪の色を決めるメラニン色素が存在します。
日本人に多い黒髪はメラニン色素が多いからです。

メラニンは紫外線を吸収してダメージから守る働きがありますが、紫外線はこのメラニンを分解してしまいます。
そのためメラニン減ると、髪の色が褪せて、赤みがかった茶色っぽい色になってしまいます。
特にパーマやヘアカラーをして髪が痛んでいる、メラニン色素が減っている状態だと、通常より変色が進みやすくなるので注意が必要です。

紫外線による頭皮ダメージ

 
皮膚の老化の20%は加齢による自然老化、残りの80%は8割は紫外線の影響によると言われています。
この紫外線による「光老化」は髪を作り出す頭皮にとっても深刻な問題です。
そして光老化以外にも紫外線が頭皮に与える影響は大きいです。

【表皮のダメージ】

短髪や髪の分け目の部分は特に日焼けやすいので、赤く腫れた、皮が剥けたなんて経験のある方もいるのではないでしょうか。
紫外線は頭皮の表皮細胞にダメージを与えて、炎症や乾燥、かゆみ、フケなどを引き起こし、ターンオーバーの乱れ、免疫の低下を招いて頭皮環境が悪化しやすくなります。
さらに紫外線に対する防御反応で表皮にメラニンが増えて色が黒く、皮膚が厚く硬くなっていきます。

【真皮のダメージ】

紫外線は表皮だけに留まらず、奥の真皮層にまで侵入します。
真皮層に肌の弾力や潤いを保つコラーゲンとエラスチンの繊維層がありますが、紫外線はコラーゲンを切断し、エラスチンを硬く変性させて、その構造を壊してしまいます。
そのため、頭皮は弾力や水分を失って皮膚のシワやたるみなどの原因となり、頭皮の乾燥が進みやすくなります。

【酸化の影響】

また紫外線を浴びると、人間の体は対抗するために活性酸素を作り出します。
しかし強烈な紫外線によって増えすぎた活性酸素は有害物質の過酸化脂質と変わり、体内のあらゆる細胞にダメージを与えて老化させる「酸化」を促進し、毛細血管を滞らせたり、髪を作る毛母細胞の活動を低下させます。
皮脂は紫外線で酸化しやすく、酸化が悪臭になるだけでなく、頭皮環境を悪化させる原因になります。

【毛根のダメージ】

毛母細胞が紫外線でダメージを受けると、うまく髪を作り出すことができなって細くて弱い髪になったり、抜け毛が増える原因にもなります。
さらに毛母細胞の隣にあるメラノサイト(色素形成細胞)がダメージを受けると、髪を黒くするメラニンが作れなくなり、髪が白髪になる原因になります。


紫外線は直接的にも間接的にも、頭皮と髪に悪影響を与えます。
頭皮はケア次第である程度の回復は見込めますが、髪は死んだ細胞(死滅細胞)でできているので、ダメージを受けたら自然に元には戻ることはありません。
だから紫外線を浴びた強さ、時間等と比例して、そのダメージは蓄積していくと言えるのです。
そのため、美髪を保つにはまず髪や頭皮に紫外線を当てず、ダメージを増やさないUVケアが大切です。