自立神経の役割

毛活研究所-自立神経の役割
貴方はいつも自分で意識をして、呼吸をしたり、心臓を動かしていますか?

そんな方はいませんよね。
手や足は自分で意識をして動かしますが、肺や心臓などの臓器は動かそうと意識しなくとも動いています。
この自分の意識とは関係なく、寝ていても呼吸をしたり、心臓を動くのは「自律神経」が働いているからです。

身体的・精神的な不調は、自律神経の乱れが原因の1つとしてあげられることが多いです。
そしてこの「自律神経の乱れ」は薄毛・抜け毛の問題にも関わっています。

自律神経

 
私たちの体をコントロールしている司令塔は『脳』です。
脳を大きくわけると大脳、小脳、脳幹の3つに分けられ、構造的には外側から大脳新皮質、大脳新皮質、脳幹の3層に分けられます。

脳は人間の進化の過程で、元々の脳に新しい機能を持つ脳が増えていったと考えられています。
一番原始的な脳が爬虫類にもある脳幹で生命を維持していくための脳です。
その外側にあるのは下等な哺乳類にもある大脳辺縁系で、食欲、睡眠欲などの本能的な欲求、生理的な快・不快、喜怒哀楽などの感情(情動)を司る部分です。
一番外側は高等な哺乳類にある大脳新皮質。知性や理性などの高度な精神活動を司る部分で、人間は大脳の90%以上が大脳新皮質です。

自律神経は内臓や血管、分泌腺、瞳孔などのあらゆる臓器に張り巡らされた神経で、その中枢は脳幹内の間脳にある、視床下部です。
視床下部は脳が集めた体内・体外の情報や刺激に応じて自律神経に指示を出すので、自身の意思とは関係なく臓器が動き、呼吸や拍動、消化などの生命活動を維持させるための必要な働きが自動的かつ反射的におこなわれます。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」という、正反対の働きをする2つの神経に分けられます。
車に例えるなら、交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキとメンテナンス。
交感神経は起きて活動している時の神経、副交感神経は寝ていたり、リラックスしている時の神経。
この二つはその時に応じて交互に働くことで、体内の活動と休息のリズムを保っています。

交感神経

 
交感神経は「闘争と逃走の神経」と呼ばれており、仕事や運動などの活動時や、緊急時やストレス時、精神的に興奮・怒り・恐怖など精神的な昂りを感じている時に優位に働く神経です。

大昔の人間は住んでいる場所が大自然の中。狩猟をして食糧を得て暮らしていました。
その狩猟のとき、相手が弱ければ戦い食糧に、逆に相手が強ければ逃げないと自分が襲われてしまいます。
そんなときは即時に判断して行動しなければ、生存に関わりますよね。

脳が「生命の危機」を感じると、自律神経は「アドレナリン」「ノルアドレナリン」を分泌させ、交感神経系を刺激して優位に働かせます。

アドレナリン
身体への作用が強く、血管や筋肉・各臓器に興奮のシグナルを送って運動能力を向上させたり、集中力や判断力を上げる

ノルアドレナリン
脳への作用が強く、感情・精神状態に強く影響して、やる気、集中力、不安、恐怖心、緊張などを高めて集中力や判断力を向上させたり、運動能力を向上させる

考えて、動くには脳や筋肉などにエネルギーが必要になるので、その素になる酸素や糖分などの栄養を運ぶ血液をより早く大量に送らなければいけません。
身体を守るためには周囲を警戒して、より早く危険を察知しなければいけないので心身は緊張してより過敏になりますし、戦い・逃げるときに食事をする、トイレに行くといった行動はしていられませんよね。
そのため交感神経を優位にすることで心身を活性化し、より効率的に戦い・逃げやすいように全身を「闘争と逃走モード」に調整するのです。

交感神経が優位なときの特徴はこのようなものがあげられます。

  • 精神の覚醒・興奮
  • 呼吸は浅く、早くなる
  • 心臓の拍動が速くなる
  • 血管が収縮して、血圧が上がる
  • 血糖値が上がる
  • 痛覚の麻痺
  • 体温上昇、体温に応じての発汗
  • 視界がよく見えるように瞳孔が開く
  • 胃腸などの消化器官の働きを抑えるので食欲の低下、消化機能の低下
  • 排尿や排便の抑制
  • 子宮の収縮

副交感神経

 
交感神経が日中、緊急時に働く神経なら、その逆の働きをするのが副交感神経です。
副交感神経は「休息と消化の神経」と呼ばれており、休息や食事、睡眠時などのリラックスした安静状態の時に優位に働く神経です。

交感神経が働く「闘争と逃走モード」が続くと心身は疲れてきます。
車に例えると、走り続けるとガソリンがなくなり、ガス欠で止まってしまいます。
ガス欠で止まらなくても、タイヤはすり減り、空気圧が減る。エンジンオイル・冷却水やバッテリー液などが減り、ヘッドライトなどのランプ類も球切れするといった不備がでてきます。
そのまま走り続けたら、事故や故障といったトラブルにつながる危険な状態になっていきますよね。

そこで副交感神経が働き、全身を「休息と消化モード」に調整します。
自律神経は「アセチルコリン」を分泌させ、副交感神経系を刺激して優位に働かせます。

アセチルコリン
血管や筋肉・臓器に作用して、血圧の下降や消化器官の活発化、記憶や性格の形成にも関わっている

休息した安静状態になると身体は緊張状態を解かれるので、エネルギーの消費が抑えられます。
胃腸などの消化器官の働きは活発になるので食欲が増し、食べたものが消化吸収されやすくなり、その栄養が体に蓄えられます。
筋肉はゆるむので血管が広がり、脳・筋肉に集中していた血流が全身に流れるようになるので酸素や栄養がすみずみに行き渡り、逆に溜まった老廃物など体に害となるものは排出されるので、新陳代謝が捗るようになります。
つまり副交感神経が優位になることで日中に溜まった疲れや体に受けたダメージが脳にちゃんと伝わり、そのメンテナンスのために体を休息し、エネルギーを補給して傷ついた細胞を修復し、新たな細胞を作り出して体を回復・成長させるのです。

副交感神経が優位なときの特徴はこのようなものがあげられます。

  • 精神的にリラックスした状態
  • 呼吸は深く、遅くなる
  • 心臓の拍動が遅くなる
  • 血管が広がり、血圧が下がる
  • 体温が下がる
  • 瞳孔は小さくなり、水晶体は弛緩する
  • 胃腸などの消化器官の働きが良くなり、食欲が増進する
  • 排尿や排便の促進
  • 子宮の弛緩

自律神経のバランス

 

人間は基本的に昼間の明るい時間に行動し、夜は睡眠をとって身体を休めます。
その流れに従うように、自律神経も昼は活動しやすいように交感神経が、夜暗くなってくると副交感神経、また朝になると交感神経が優位になるという1日単位の大きな働きの流れがあります。

では昼間は交感神経だけが優位かと言えば、それは違います。
朝仕事が始まると交感神経、ランチの時間は副交感神経、午後の仕事に入ると交感神経、息抜きの休憩時は副交感神経。
このように1日の大きな流れはあっても、日中は日中でその場に応じて交互に働きを入れ替えています。

この交互のバランスが滑らかに行われるには、2つの神経のどちらもがよく働いていることが必要です。
両方がよく働いているけど活動的なときに交感神経がやや優位に、休息時は副交感神経がやや優位に働く状態が心身の健康には重要です。

このバランスが偏っていて、片方が働くときに反対側がまったく働かないとなったらどうでしょうか?

  • アクセルだけでブレーキのない車
  • ブレーキだけでアクセルのない車

車に例えるなら、こんな感じです。
止まれないか走れないだけでは極端すぎて、安全でも順調でもありませんよね。

では、交感神経、副交感神経のどちらも働かない状態ならどうでしょう。
これでは車の形をした置物ではないでしょうか。
ブレーキがないので、坂道なら転がって行ってしまいます。

目的地に無事に辿り着くには、まず車のアクセルとブレーキはどちらもよく効くこと。
そして安全確認しながら、状況に応じた加速・減速をして進むことが必要ですよね。

極端な例を出しましたが、自立神経が乱れるとその両方の働きが悪くなる、本来劣位になる時にも優位になり続けるといった異常な状態が起きるようになります。
このような状態が続くと、心身は機能が乱れ、不調として表面化するようになります。


自立神経のバランスは仕事や睡眠、食事などの生活習慣、生活環境などの影響を受けて乱れが生じます。
特に女性ホルモンの影響を大きく受けている女性は男性に比べて、自立神経のバランスが崩れやすいと言われています。

自立神経のバランスが崩れると血流悪化、新陳代謝の低下、免疫反応の異常、ホルモンバランスの崩れなどのさまざまな症状がおきますが、髪に薄毛や抜け毛の症状として現れることがあります。

きれいな髪を保つためには、髪と頭皮のケアだけでなく、自律神経のバランスを整えて心身の健康を保つことも肝心です。